「え!? 直接親にきくんですか」


あたしの考えを話すと、ことりちゃんはすごく驚いていた。


「それ、作戦にもなってないよな春音」


「ま、まあ……」


蓮と春音くんも全然ノリ気じゃないみたい。


でも、


「なるほど……。確かに一理あるかもな」


なんと、クマ男から一票ゲット! 顔は凶悪犯だけど実はいい人じゃない。


「ことりが真剣に悩みを打ち明ければちゃんと伝わるはず。大人だってバカじゃない。きちんと本気で答えてくれるはずだ」


「そ、そうなの、かな……」


「そうよ! 絶対よ!」


だってことりちゃんのことが大事だから、お父さんとお母さんは犯人の言う通りにして警察には一度も言わなかったのよ!

ことりちゃんが何度誘拐されてもことりちゃんのことを第一に考えてるから言えなかったのよ!


「分かりました。今日お父さんも出張から帰ってくるので、二人に話してみます」


やったー!


「でも、それでダメだったら……」


「その時はまた一緒に考えよう! 一人で悩んじゃダメだよ。友達でしょあたしたち」


「あみちゃん……」


「あみにしてはいいこと言う」


「そうだね」


「ええと、友達ではないけど、俺も相談にはのるからな」


「みんな……」


蓮の一言は余計だけど、なんだかうまくいきそう!




気づいたら、辺りはもう暗くなってきていた。
これで、あたしたちはようやく誘拐事件を解決できた。


──誰もがそう思っていた。