次の日。


「二回助けたのに、またいなくなっちゃったの!?」


「迎えに行ったんだけど、ちょっと目をはなした隙にいなくなったんだ」


「なら、助けた翌日もこれからは三人で迎えに行こう」


その次の日。


「今度は下校途中!?」


「そうなんだ。家に戻らなかったって」


「なら、帰りもみんなで送っていこう」


さらに次の日。


「コンビニにアイスを買いに行ったら、帰ってこなかったの!?」


「うん。まだ夕方だったからメイドさんも気にしなかったらしい。ことりにも怪しいやつには気をつけるように言っておいたんだけど」


「とにかく、もう一度だ」


「わかった」


だけど、そのまた次の日もことりちゃんはいなくなってしまったの。


「どうして~。何回助けてもその後また誘拐されちゃう~」


あたしたち三人は、小さな教室で作戦会議を開くことにした。


「やっぱり、犯人を捕まえないと根本から解決したことにはならないのか」


「コンポン?」


「何度助けても同じやり方じゃ、また誘拐されちゃうってことだよ」


「でも、あんなクマみたいに大きな男の人を捕まえるなんて小学生のあたしたちにできるの?」


いくら蓮が運動神経抜群でも、相手は柔道チャンピオンみたいに強そうな大人なのよ。勝てるわけない。