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「経験値アップなの」


小さな教室に戻ると、教卓の上で足をブラブラさせたリコちゃんが、笑顔で迎えてくれた。


「翼お姉ちゃん、元気に学校へ来ているの」


「なら、ミッションは?」


「コンプリートなの」


「よかった~」


あたしは、気が抜けて小さなイスにドカッて腰を下ろした。
蓮と春音くんも笑顔だけど、ぐったりって感じで並んで座る。

あの後、廊下に出たあたしたちは、またファンクラブに見つかって追いかけっこをするはめになったの。

まあ、追いかけられたのはあたしと蓮で、春音くんが翼ちゃんとみずはを志門くんのいる体育館裏まで連れて行ったんだけどね。

あたしたちがファンクラブのみんなを撒いて、体育館裏に着いた時は、告白の真っ最中だった。


「志門くん、ずっと前から好きです! 付き合ってください!」