……。
「……あみ……大丈夫か」
「うん……平気」
無事、タイムリープできたみたいで、蓮が起こしてくれる。
ちょっと気分は悪いけど、それどころじゃないわよね。
「二人とも聞いて!」
あたしはさっそく小さな教室から出ようとしていた蓮と春音くんを呼び止めた。
「翼ちゃんの告白相手は、あの工藤志門くんなの!」
だけど、二人はまだ事の重大さがわかってないみたいで、
「志門か、あいつモテるもんな」
「蓮と同じ雑誌のモデルだったよね」
って、軽い反応!
「ちょっと二人とも! わかってるの!?」
「ああ、友達だから更に余裕ってことか?」
「告白相手をあみが聞いてくれたこと? ありがとう」
「二人とも違う! そうじゃなくて」
もう! どうしてこう男子って鈍いんだろう。
「タイムリープしてきた今日は、志門くんの誕生日なの!」
修了式の日、クラスの女子が騒いでたのを思い出したんだから!
「……それで?」
え? まだ気づかないの蓮!
「なるほど。告白にはうってつけの日だね」
春音くんまで。
ああ、どうしてこれでピンとこないの!
仕方ない。


