心配そうなリコちゃんだったけど、春音くんが内容を話したら、
「なるほどなの」
うんうんと首を縦に振っている。
「けど、まだ心配なの」
「まだ?」
「そうなの。あみお姉ちゃんたちは経験不足」
そりゃあ、まだクラブに入ったばかりだし昨日一回しかタイムリープしてないもの。経験なんてほとんどないようなものよね。
「だから、もうひとつ事件を解決するの」
「別の事件で経験をつめってことかな?」
「そうなの。それをうまく解決できたらことりお姉ちゃんを助けにいくの」
「うまく出来なかったら?」
「その時は無理なの。もっとたくさん経験をつむの」
リコちゃんはこれだけは絶対譲れないぞって目で、私たちを見つめた。
「わかったわ。リコちゃん」
「ああ、やってやる」
「そうだね。ことりのためにはやく別の事件を解決しよう」
私たちは同時に返事をすると、さっそくとばかりにリコちゃんの前に並んだ。


