放課後TLクラブ



※※※


「それは大変なの」


放課後。

あたしたちは急いで小さな教室に行って、学校の座敷童子であるリコちゃんに事件のことを説明した。


「そのお姉ちゃんが昨日転校してくる予定だったってことは、もうこの学校の生徒なの。だからリコの力は使えるの。だけどね」


「なあに」


「TLクラブの活動ははじまったばかりで、あみお姉ちゃんたち3人はまだズブズブのドシロウトなの」


「ズブズブしろうと?」


「僕らに誘拐事件は難易度が高いってことか……」


「そうなの。初心者にはデンジャラスなの」


「じゃあ春音のいとこは助けにいけないのか」


「無理なの」


「そんな……」


リコちゃんは教卓の上で短い腕を組んでう~んと唸りだした。


「3人が心配なの」


カ、カワイイ! 見た目は小さな子供だけど、あたしたちのことをちゃんと考えてくれてるんだ。座敷童子ってやっぱり良い妖怪なのね。


けど、困ったな……。
リコちゃんが力を使ってくれないと、過去に行ってことりちゃんを助けることはできない。

なんとかリコちゃんを説得しないと……。

せっかく休み時間にいろいろと考えたのに──あ、そうだ!


「リコちゃん、作戦を聞いてくれる?」


「さくせん?」


「そう、今日全部の休み時間を使って、ことりちゃんをどうやって助けるか、みんなで考えたの」


「そうだ。あれなら危険も少ない」


あたしの案に蓮も頷いてる。


「ほとんど考えたのは春音くんだけど、あたしと蓮だって一生懸命小さい脳味噌で考えたんだからね」


え? なによ蓮。なんで目を細めてこっちを見るの?

なんか余計なことは言うなみたいな目よね。あたし変なこと言ったかな。


「どんなさくせんなの?」


「完璧な作戦だと思うよ。まずはね────」