「だって、夕飯食べ過ぎて苦しくなったのに、次の日また食べ過ぎて『苦しいよ~』ってうなってたんだろ」


「あ、あれはデザートにケーキがあるって知らなかったから──って、なんでそんなこと知ってるのよ」


 一昨日の家での話じゃない。


「昨日、あみのお母さんがうちに来て、おかしそうに話してくれたぞ」


 うう~、ママのバカ~。


いくら蓮のお母さんと仲良しだからって、蓮にまで言わなくてもいいのに。

デリバリーなさ過ぎー。


「あみ」


「な、なに春音くん」


「それを言うならデリカシーだよ」


「え、あたしいつのまに声に出してたの!?」


「いつものことだろ」


ああ、蓮のツッコミでまた春音くん笑いだしちゃった。

でもそうなのよ~。昔から考え事してるといつの間にか声に出ちゃってるの。なんとかならないかしらこれ。


「ようするに、あみは心配しても翌日には忘れちゃうってことだね」


「そう。だから気にするな。クヨクヨしないのはあみのいいところだろ」


「それ絶対ほめてないよ~」


「なら褒めるの。ミッションコンプリートなの。お疲れさまなの」


リコちゃんの言うとおり。TLクラブ最初の事件はこれで無事(?)解決しました。


でも、実は今日、これ以外にとんでもなく大変な事件が起こっていたことを、あたしたちはまだ知らなかったの。