なにそれ。魔法の呪文?
「それって、本とかに出てくる【時間跳躍】!? 時間を飛び越えて過去に行ったりできるタイムトラベルのことかな」
うんうん。そうそう春音くんの言う通り。時間とかを旅しちゃう……って。
「ええっ!? なにそれ。魔法使いのクラブじゃないの!」
「タイムリープなの、あみお姉ちゃん。びゅんって過去に戻れるの」
リコちゃんは笑顔でもう一度「びゅ~ん」と呟くと、着物の袖に手を入れて巻物を取り出し、それを読みはじめた。
「うんと……、ここ浦之夢小学校では毎年四月に新六年生になった生徒の中から見込みのある子を選んで、一年間このクラブに入ってもらいます。今年は、あみお姉ちゃん、蓮お兄ちゃん、春音お兄ちゃんです、なの」
あたしたち三人が選ばれた?
「タイムリープクラブ……」
「で、そのタイムリープクラブってなにをするクラブなんだ」
「ええと、それは……人助け、生徒助けなの。不幸のおこった浦之夢小学校の生徒を過去にさかのぼって助けるクラブなの」
「学校のみんなを助ける……?」
良いことみたいだけど、でも【時間跳躍】とか【過去にさかのぼる】とか、なんかむずかしい話じゃない?
「それ、すごいね……。タイムリープしてみんなの悪い過去を良い未来に変えるクラブか」
「過去に戻って、この学校の生徒の事故やケガを未然に防ぐとか、そういうことか?」
ええー! なんでみんな分かってるの。


