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壁の中は小さな教室だった。
普通の教室の半分ぐらいの広さで、黒板も窓もカーテンも机もイスも、み~んな半分の大きさ。なんだかカワイイ感じの小さな教室。
そんな中、教卓の上に学校の座敷童子だというリコちゃんがちょこんと正座していて、その前の席には。
「春音!」
「春音くん!」
「蓮にあみ。2人も呼ばれたの?」
「いったい、どうなってるの」
通り抜けられる壁にも驚いたけど、今日の朝不思議だった春音くんがいる。
これはどういうことだろう。
──はっ! まさか、ひょっとするとひょっとして。
これって魔法使いのクラブじゃない! リコちゃんは、ああ見えて魔女とか!
そして、TLのTの意味はとくべつ。それでLは、え~と……ラッキーのL!
魔法を学べるなんてとくべつでラッキーだもん。これで間違いないはず。
ここは魔法を学べる【とくべつラッキークラブ】なのよ。決まりよね。
「みなさんそろったので大事なお話をするの」
あたしと蓮も席に座るとリコちゃんが説明をはじめた。
ああ、どうしよう。ドキドキする。
おかしがいっぱい出せる魔法とかおぼえたいな~。
「ええと、入り口にも書いてあるとおり、ここはTLクラブ。【タイムリープクラブ】の教室なの」
「タイムリープ!?」


