「あの…これ見てください。」


落ち込む俺に差し出されたのは1枚の写真。


小さな男の子と女の子が笑って写っている。


楽しそうな写真…


と思いながら、よく見る。


え…


俺は気づいた。


この写真の男の子って…


「俺だ…」


父さんがまだ生きていて、前の家に住んでいた…


その頃の写真だ…。


でも、なんでこの写真を堺さんが?


「では、女の子は誰かわかります?」


俺は写真をじっと見て、幼い頃の記憶を辿る。


何回辿ってもいまいちわからなかった昔の記憶。


でも今日は…思い出した。


「幼なじみのにぃだ…。そう!2つ下のにぃだよ!柴崎仁奈!」


ちゃんとフルネームまで思い出せた。