「大和先輩、少しお話いいですか?」


みんなが騒いでいるなか、堺さんがこそっと言った。


「うん。俺も…ちょうど話したいことあるから。」


俺たちは静かな場所に移動した。


堺さんが書いた詞の中の言葉。


『溢れるほどの想いを

受けとめてもらえなくてもいいから

ただ…聞いて…』


俺もだ。


堺さんに聞いてもらえるだけでいい。


「大和先輩…あたしといつ会ったか思い出しましたか?」


ぎくっ…。


ずっと考えてた。


考えてたんだけど…


「ごめん…。」


「そうですか…。」


下を向いて悲しげに堺さんが言う。


本当に…ごめん…。


理由はどうであれ好きな子悲しませるなんて最低だな…俺。