「…昂平?」


琉威の呼び掛けでボーッとしていたのに気づいた。


「あ…ごめん。」


「せっかく堺さんが昂平の曲のおかげだってほめてくれたのに。」


あ…そういえば…


「ありがと。でも堺さんの詞と歌のほうがさ…なぁ琉威。」


俺はなんとなく恥ずかしくなって、琉威にふる。


「そうだね!堺さんの歌とかすごく上手くてびっくりしたもん!」


俺の思っていることを堺さんに明るい笑顔で言う琉威。


「そんな…下手ですよ!」


堺さん…


堺さんは歌は上手いし、声は綺麗。


オリジナルの曲が上手くいってるのは…絶対堺さんのおかげなんだ。


冷たい性格の俺には言えない。


いや、素の俺でも…言えないや。