「…だろうと思って、深く聞いてみたんだ。」


深く…?


「いつごろ、どこで昂平と会ったのかって。」


さっき俺が疑問に思ってたことだ。


「堺さんはなんて?」


「これは冗談抜きで内緒って言われたよ。昂平に思い出してほしいんだってさ♪」


俺に…か。


でも思い出せねぇんだよな…本気で。


「無理に思い出そうとしなくていいんじゃない?パッと思い出すかもしれないしさ?」


琉威が俺の肩をポンッと軽く叩く。


「それより文化祭だって!!」


「…あぁ、そうだな。」


俺はそう返事したけど、どうしても思い出そうとしてしまっていた。


次の日も…


その次の日も…


堺さんに会っても思い出すことは出来なかった…。