そして、次に目を開けたとき


横には陽太と風冬、
上には病院の天井があるのがわかった


「あれ、なんでここに・・・・・・?」


たしか、私教室にいたはず・・・・・・

それでクラッ となって・・・・・・


思わず勢いよく飛び起きたけど、
またクラッ となってベッドに逆戻りした


その振動で
眠っていた陽太と風冬が目を覚ました


「彩、目、覚めたんだ」

「今回は貧血、だいぶヤバかったな
 丸2日も寝てたぞ?」


寝起きでまだ、ねぼけまなこのまま
2人は口々に言った


2人とも朝弱いもんね・・・w


学校でのかっこいい幼なじみの姿しか
みんなは知らないだよね


全然変わらない2人の姿が嬉しくて少し頬を緩める


「じゃあ、とりあえず診察しよっか」

「採血と聴診、あと検温な」


もう診察するの!?

2人とも今起きたばっかりだよ?


まだ眠そうなのにテキパキと指示を出す2人の姿に感嘆していると
あっという間に診察が終わった


「ん
 特に異常はないな」

「じゃあ、これで退院だね」


いつも忙しそうな2人の為にさっさと帰る準備をしよう!


そう思って床に立った瞬間、足の力が抜けた


転ぶ……!


と思ったけど、彩の身体が床に打ちつけられることはなかった


2人が支えてくれたからだ


「あぶねっ
 まだ目が覚めたばっかだから座ってろ」

「大丈夫?怪我ない?
 俺たちで用意するから待ってて、ね?」

「うん、わかった……
 ごめんね……」


あぁ……

結局足ひっぱちゃった

2人とも忙しいのに……

しゅん(。-_-。)


情けなくて、なんだか泣けてきた


「あ、あや?
 泣かないで、ね?」

「いつもヒック ごめんなさヒック
 おしごとヒック たいへんヒック なのにヒック」

「大丈夫だから、泣くな
 持ってる患者は彩だけだ」


普段あまり表情の変わらない風冬が珍しく慌てた顔をして少し口早に告げる


「そ
 俺らは、彩以外には研修医見習いだしな」


陽太も自分たちの仕事の無さを笑うように軽くそう告げた


2人の言葉に余計に申し訳無くて、涙がとまらない

私がこんなだからだ……


それを見透かすように陽太が言葉を続ける


「彩が特別なだけなんだよ
 一応、俺らはまだ高校生だからさ?」


あぁー、早く大人になりてーな

と少し残念そうにぼやく陽太についクスリ と笑みがこぼれた