季節を何周も巡ると思っていた

それからの毎日は楽しかった。楽しすぎた。
毎日来る「おはよう」と「おやすみ」のLINE。
週末には大抵デートをした。
彼の誕生日もお祝いした。
秋の半ばには、隣県で開催された花火大会に行った。
秋の終わりには、紅葉のライトアップを見に行った。
クリスマスにはイルミネーションを見て、
バレンタインには初めて本命のチョコを手作りした。
ホワイトデーには、私がずっと泊まりたかったホテルに
サプライズで連れて行ってくれた。
彼との思い出はこういう特別なことばかりではない。
私が落ち込んだ夜には、よく一緒に散歩をしてくれたし、
朝起きるのが苦手な私たちだったから、
夕方まで家から出られずに、ダラダラ過ごすこともよくあった。
お酒をたくさん買ってピザパーティーをしたり、
私のバイト後に一緒にご飯を食べてすぐ解散したり。
些細な日常でも彼が隣にいるだけで特別になった。