小さい頃から、スポーツは割と得意。
走るのも、だいだい速い方だった。
でも、、こんな緊張してて、上手く走れるかなあ・・・。
「足、くくるから出せ。」
ヤンキーくんは、自分の右足と私の左足をくくってくれた。
「あっ、、すみません。ありがとうございます。。」
「ハッ 何で敬語なんだよ。同学年だろ。」
え…笑うんだ。この人。
ヤンキーくんが少し口角を上げて
ニヤっと少しだけ笑った。
ドクンッ
自分の胸が痛いくらいに大きく波打った事に気づく。
え?なんでドキッとした
まぁ、こんな状況、緊張しない訳がないか・・。
「お前、名前は?」
「杉元実桜・・・。」
「杉元な。覚えられっかな・・。」
覚えて下さらなくていいですよ・・・・。
「えっえっと・・。コウくんって呼んでもいいの・・?」
なんで下の名前に”くん”付けなんだよ!
と、自分にツッコミをいれる。
だって、緊張のあまり、
この人の苗字も下の名前も全部ド忘れしちゃった。
コウ何くんだったっけ・・・。
苗字なんだっけ・・・。
シズナが呼んでいた、
”コウくん”が頭の中をぐるぐると回る。
「あぁ。好きに呼べよ。」
