唯side


チュンチュン…チュン…
鳥の囀り(さえずり)が聞こえて、私は静かに目を開けた。
意識がだんだんとハッキリしていく中、私はムクリと起き上がり、「ふぁああ」と欠伸(あくび)をする。

(ん……、よく寝た…)

真っ白なカーテンをシャッと開けると、眩しい朝日が暗い部屋に入り込み、照らす。
スズメたちが飛んでいる、雲一つない青空が見え、私は思わず微笑んだ。
澄んでいる空だな、今日は晴れそう。
ボーッと頭の片隅で考えていると、突然聞き慣れた声が、扉の前から聞こえた。

「唯っ!起きなさーいっ!」
「あ、はーいっ」

私は慌てて返事をする──ママだ。
窓から離れて、部屋を出ようと扉を開ける。
「今日も良い1日になりますよーにっ!」
独り言のように、私は小さく呟いた。


この時は考えてなかったの。
これから、スッゴい出会いが待っているだなんて──。