学校を卒業してから、数年が経った。


現在、ぼくは、卒業した学校に居る。

用事を済ませ、美術室に向かう。


「久し振りだね。アマリリスちゃん」


アマリリスちゃんは変わらず、そこに居た。


「あなた、もしかして、ジョージ君なの……」


大きく開かれた瞳で、覚えてくれていたのだと実感する。


「……どうして」


あの頃と少しも変わっていないアマリリスちゃんが居る。


「教職に就いたんだ。この学校の教員になったんだよ」