どうして恋をしてはいけないのか。

「会いに行っても良いかな」

「構わないけれど……」


拒絶されなかった事に、先ずは安堵する。


「すぐに忘れるわよ」


アマリリスちゃんは悪戯っぽく笑う。

だから、その表情が哀しそうに見えたのは気の所為だったのだろうか。


「行くさ」


誰に聞かせる訳でも無く、そっと独り言ちた。