「卒業するんだ。今年度の三月に」 「もう、そんな季節なのね」 ただ、事実を確認する様な声色。 「淋しいと、思ってはくれないのか」 「年月が経てば、いずれは修了するものでしょう」 ぼくも、そう思っていた。 きみに、出会う前までは。