と、思っていた、のだが。


「……あなた、見ない顔ね。一体、誰なのかしら?」


少女が唇を開き、声を発した事に驚いた。


「ぼくはジョージっていうんだ。今年度の入学生。……きみは?」

「名前?わたしの?……アマリリスにでもしておきましょうか」


それから、やがて、ぼくは美術部に入部した。


……美術室には、入学式の、あの日と同じ様に、アマリリスちゃんが存在していた。