教職に就いてから、数十年が経った。


ぼくは、いつもの様に美術室に向かう。

アマリリスちゃんが迎え入れてくれる。


「アマリリスちゃん」

「何かしら」


今日も、アマリリスちゃんに伝えたい事がある。


「ぼく、この学校の校長になったんだよ」

「まあ、そうなの?それは、おめでとう」


アマリリスちゃんは微笑する。

……その表情が見たかった。