線香花火


「なーんて!まだ楽しみはこれからか!」

おどけて笑っていると、武がムッとしたような顔で私を見ている。

「…そんな顔すんなよ」

「?」

武の言葉に足を止める。

「なんでいつも強がんだよ」

相変わらずぶっきらぼうなその声に
私は言い返せずに、沈黙が流れる。

前を歩いているみんなは、私たちに気付かずどんどん小さくなっていく。


心配してくれてるのだろう。
こういう時、武の顔は態度とは裏腹にすぐ赤くなる。