同性になろうと関係なく、彼は執拗に私を追いかけた。私は安らげる刻(とき)もなく……。 一度、彼が犬として生まれ変わった事がある。 私は直ぐに気付いたけれど、解らない振りをし続けた。そうすれば、言葉の壁が私を護ってくれる。 どのみち、犬と人では結ばれないのだから。ようやく訪れた安らぎの日々だった。 彼が、私を咬み殺すまでは── 死の間際、彼はやはり「来世こそは」と獣の目で訴える。彼は狂気を孕(はら)みながらも、私を探すことは止めなかった。 いいえ、むしろがむしゃらに私を追い求める。