推しの子を産んだらドラマのヒロインみたいに溺愛されています(…が前途多難です)

――教えて欲しいことがあるんです。

朝飛のお昼寝の時間に私は秋山さんにLINEを送った。するとすぐに返事がくる。

秋山:なんでもどうぞ!

まひる:安くレンタカーが借りられるところ知りませんか? 
    こんなこと聞けるの秋山さんしかいなくて。

秋山:レンタカーですか? 用途は?

まひる:店に荷物を取りに行きたいんです。なので、乗用車じゃなくて

秋山:ワゴン車とか、軽トラがいいですかね?

まひる:はい。でも、大きすぎると運転が不安で……。

秋山:なるほど、わかります。あと日時を教えてください。手配しますよ!

まひる:ありがとうございます! 急なんですが――……。

日程を伝えると、秋山さんは「間に合わせます」と言ってくれた。感謝しかない。

それから四日後の朝。朝飛をシッターさんに預けマンションのエントランスを出ると、大きなワゴン車の横に秋山さんが立っている。

「秋山さん? どうして……」

「まひるさん一人じゃ不安だろうと思って」

「まあ、たしかに。でも仕事は大丈夫なんですか? 地方で撮影があるって聞きましたけど……」

「はい。ユウヒさんのことは後輩に任せて有休取りました。行きましょう! 乗ってください」

「よろしくお願いします」

 秋山さんの運転するワゴン車に乗って、店に向かう。