朝起きると雄飛の姿はなかった。

「私、気に障るようなこと言っちゃったのかな……」

 ベッドの上で昨夜の言動を振り返ってみるが、思い当たる節はない。帰宅直後はいつもの彼だったし。

大きなため息を吐くと、朝飛と目が合った。

「起きたの? おはよう」

 にこりと微笑んでみたが、朝飛はじっと私の顔をみる。

「ママ、どうしたの?」

「ん? なんでもないよ。お顔洗ってお着替えして朝ごはんにしようか」

「うん」

「どっちが早いか競争だよ、よ~い」

「ドーン」と朝飛は大きな声でいい、ベッドから飛び起きた。

「朝飛待てー!」

 バスルームに駆けて行った朝飛を追いかける。この子を不安にさせないためにも私が笑顔でいなくっちゃ。