その日の夜。朝飛が寝てしまったあとに雄飛から電話が入った。
『LINE返せなくてごめん』
「ううん、いいの。生放送お疲れ様」
『観てくれたんだ』
「朝飛、喜んでた。私はドキドキしたけどね」
『そっかーよかった。俺は秋山に怒られた。三田さんにばれたらやばいってうるさくて困ったよ』
話を聞いただけで、その様子が目に浮かぶようだった。きっと収録中は私以上にハラハラしていたのだろう。
「あんまり秋山さんのこと困らせちゃだめだよ」
『わかってるよ。そんなことより、ありがとう。LINE見たよ。“世界中が反対しても雄飛と結婚したい”って、しびれた』
「……読み上げないでよ、恥ずかしい」
私は座っているソファーのクッションに顔をうずめる。
『どうしてだよ。すごくうれしかったんだぜ。ようやくまひるの本音が聞けて』
ああそうかと思った。雄飛はずっと私が本音で話していないことに気付いていたんだ。



