「まひるさん、お待たせしましました。乗ってください!」

 私は言われた通り、車に乗り込んだ。後部座席のチャイルドシートには朝飛が眠っている。

 秋山さんによると、朝飛はギャオレンジャーの撮影現場を見学させてもらい、それからレット役の俳優さんと対面しグッズとサインをもらった。大興奮だったそうだ。目に浮かぶ。

車に乗せたら昼ご飯も食べずに寝てしまったので家の近くまで戻って私と合流しようと考えたようだ。

「急にすみません。お昼まだならご一緒しようかなと思ったんです。朝飛くんもそろそろ起きるころだろうし」

「ほんと、何からなにまでありがとうございました。私もこれからランチしようと思ってたので、一緒に行きましょう!」

私は秋山さんの車で先ほど調べていた店へと向かった。オーガニック食材を使用した和食のビュッフェスタイル。若い秋山さんには物足りないかもしれないけれど、体にはいいはずだ。

駐車場に車を止めると朝飛は目を醒ました。

「ママ?」

 私がいることが不思議だったようで、じっとこちらを見つめている。

「秋山さんがママを迎えに来てくれたんだよ。これから三人でご飯食べに行こう」

 朝飛を車から降ろし、三人でレストランへと入る。

店内は客が大勢いたけれど、運よく席が空いていた。私たちはお腹いっぱいになるまで料理を堪能することができた。

帰りも秋山さんは来るまで送り届けてくれた。