『五百万入っています』 二十四歳のクリスマスの夜にそう言って差し出された封筒を私は受け取ってしまった。 お金が欲しかったわけじゃない。私はただ、大切な人を守りたかっただけ。 選択は正しかったか?そう自問自答することは今でもある。 朝飛を父親のいない子のしてしまった負い目は感じているし、生活に不安がないわけじゃない。 でも、過去を悔やんでも無意味だ。 朝飛はどんどん成長していくし、私は老いていく。 過去に囚われていてはいけない。