検査の結果、私の右腕は骨折していた。
手術は必要なかったが、ギブスで固定されてしまった。他は全身の打撲と擦過傷。頭は異常なしと言われたけれど、後から血種ができることがあるそうで数日は様子を見るようにと説明された。
診察室を出て清算を済ませると二人の姿を探した。
待合室の隅の方に雄飛の頭が見える。朝飛は彼の膝の上で眠っていた。
「待たせてごめんね」
「まひる。腕……」
「骨折してたみたい。しばらくはこのままだって」
肘から手のひらまでギブスが巻かれた腕を見せて苦笑いする。
「そうか。でも、命にかかわるような大けがじゃなくて安心した」
「心配かけてごめんね。朝飛のこともみていてくれてありがとう」
「いや、いい子にしてたよ。もういこうか。家まで送る」
私たちは雄飛の車に乗り込んだ。寝ている朝飛を気遣ってか、雄飛の運転はとてもやさしい。
こうしてみると、二人は本当に似ている。
「どうかした?」
バックミラー越しに雄飛が聞く。
似ていると思っていたなんて言えるわけがない。
「ううん、なんでもない」
そう言ってごまかそうと思った。けれど雄飛はまるで私の目をじっと見る。
「な、なに?」
「朝飛は俺の子だろ」
「ちが……」
「違わない。それにお前、結婚なんてしてないだろう?」
「なんで?」


