天気予報が気になって何気なくつけたテレビ画面を見て、私は息が止まりそうになった。

「本日はスペシャルなゲストにお越しいただいてます」

大きく映し出されたのは涼やかな笑みを浮かべる雄飛の姿だった。

つい数時間前、私の腕を掴んで泣きそうな顔をしていたはずなのに、そんなことはみじんも感じさせないくらい堂々としている。

「かっこいいじゃん、さすがプロ……」

 きっともう、雄飛は私の前には現れないだろう。既婚者の私に会いに来て、週刊誌にでも撮られたら大変だもの。

よかったんだ、これで。私も雄飛も心置きなく別々の人生を歩んでいける。

「ママ、どうしたの?」

「……朝飛。おいで」

 私は朝飛を抱きしめた。泣いている顔をみられないように。