私も母子家庭で育ったが、母もこんな苦労をしていたのだろう。
今は再婚して別の家庭を持っている。朝飛のことはまだ話せていない。
昼をすぎても雨は止まなかった。時折強い風が窓を揺らしていく。
ランチにパンケーキを焼いたのだけれど、遊び疲れたのか朝飛は食べずに眠ってしまった。
私は二階から店に下りてカウンターに座り帳簿を開く。
今日の売り上げはなし。また明日頑張ればいい。
「さてと。コーヒーでも入れようかな」
椅子から立ち上がったその時、店の戸を叩く音がした。
「……お客さん?」
入口まで近づくと、すりガラスの向こうには確かに人影があった。
もしかすると臨時休業の張り紙が風で飛んでしまったのかもしれない。
私は鍵を開けドアを開けた。
「ごめんなさい今日は臨時休業なんで……す」
思わず我が目を疑った。そこには雨でびしょぬれになった雄飛が立っている。
「雄飛、どうして……」
「まひる! やっぱりまひるだ。半月前、俺がここにきたの覚えてるだろ!」
雄飛は私の腕を掴んだ。
ひんやりとした彼の手からは、どれほど体が冷えているのかが伝わってくる。
でも、私は彼を中へ招き入れることはできない。
三田さんと約束したからだ。
雄飛とは今後一切かかわりませんと。
今は再婚して別の家庭を持っている。朝飛のことはまだ話せていない。
昼をすぎても雨は止まなかった。時折強い風が窓を揺らしていく。
ランチにパンケーキを焼いたのだけれど、遊び疲れたのか朝飛は食べずに眠ってしまった。
私は二階から店に下りてカウンターに座り帳簿を開く。
今日の売り上げはなし。また明日頑張ればいい。
「さてと。コーヒーでも入れようかな」
椅子から立ち上がったその時、店の戸を叩く音がした。
「……お客さん?」
入口まで近づくと、すりガラスの向こうには確かに人影があった。
もしかすると臨時休業の張り紙が風で飛んでしまったのかもしれない。
私は鍵を開けドアを開けた。
「ごめんなさい今日は臨時休業なんで……す」
思わず我が目を疑った。そこには雨でびしょぬれになった雄飛が立っている。
「雄飛、どうして……」
「まひる! やっぱりまひるだ。半月前、俺がここにきたの覚えてるだろ!」
雄飛は私の腕を掴んだ。
ひんやりとした彼の手からは、どれほど体が冷えているのかが伝わってくる。
でも、私は彼を中へ招き入れることはできない。
三田さんと約束したからだ。
雄飛とは今後一切かかわりませんと。



