私のテストの結果を彼女に大声で言われた。
悪意ではなくて、本当に冗談だったのだと思う。
けど、最悪だった。
彼も、バッチリ聞いたから。
この時は、たまたま彼が用事で受けられなかったテスト。
だから偶然、私が学年トップになってしまった。
学年トップと言えば聞こえはいいけど、いつもの彼の点数に比べたら、彼がもっと遠くの存在に思えるから彼には知られたくなかった。
「‥あ、ごめん!大声出してもた。
あとちょっとやね、もーはよ終わらせよ!」
羞恥心を抱えつつ、なんでもないふりをした。
そうでないと泣きそうだったから。
「じや、ここからはるね!」
そう言って、貼ろうとした時。
___ピン
「え?」
赤い毛糸を引っ張られた。
「‥お疲れ。すごいと思うよ。」
それだけ言われた。
「‥うん。」
ビックリしすぎて、それしか返せなかった。



