「あ、あそこならいいじゃん!」
そう言って彼が指さしたのは、木の影で。
流されながら隠れてみると、
「え‥。」
‥目の前には彼の背中。
ん?あれ?
‥‥‥近くない?
屈んだ彼と私の距離は、隙間が一センチもなかった。
バクバク鳴り止まない心臓の音。
暗くなかったら、きっとバレていただろう顔の赤さ。
本当に本当に、緊張した。
結局は、同級生二人に脅かす前に見つかって、
私がただドキドキしただけだったけど。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
「‥あ、ごめん。」
それから少し経って。
いよいよ2日後に本番!となった日。
執行部制作の縦2m、横5mの看板制作も大詰めとなった。
今年の文化祭テーマは、
縦と横のつながりを意識した、絆。
だから、看板には全校生徒一人一人の、
文化祭へのメッセージを書いた紙を貼る
アイディアが採用された。



