保健室で、君と最後のキス






「ん?そーだな…」




八神くんは考えるようにして、顎に手を当てた。




そして、思いついたようにぽんっと手を叩く。





「俺の彼女になれば?」



「…はいぃぃ!?」





急に何を言い出すかと思えば、彼女になれば?




どうしたらそういう考えになるのだろう。




八神くんの言うことは理解不能だった。






「彼女になるっていっても、偽でね?」



「…偽?」



「そ、俺はそのヒナタを忘れるために手伝うだけだから」





手伝う…そういうことか。





…なんて、私のこの要領の悪い脳みそではそう簡単に理解は出来ない。






「遠慮しときます…」




丁重にお断りさせていただく。





「や、もう決まったから」



「決まっ…!?」




私の意見なんて聞きもせず、あたりまえのように言う八神くん。