母さんは、自分の家(俺の家の隣)に帰って行った。
「お帰りなさい!ふふ。やられちゃいました?」
「おー、ガッツリ、スパーンとやられたわ!」
クスクス笑いながらコーヒーを淹れてくれた。
「でも、今回は久美子ママが早く帰ってきてくれて良かったですね!」
向かいのソファーに座り、雑誌を読み出した紗理奈が言った。
「そうだな。」
テーブルに置いたセブンスターを一本取りだし、火をつけた。
一息吸い、フゥ〜と煙を吐いた。
まだ俺は長いトンネルの中か。
でも、まぁ…
まだ紗理奈と、生活していたいからもう少し居座るか。
紗理奈をチラッと見ると、俺の視線に気付いてニコリと微笑みかけてくれた。
トンネル-第二部 完-

