「あのっ奏多さん……私」

「怖い?」

「いえ、あの……」

これから何が起きるかようやく理解した私は、恥ずかしさから両手で自分の顔を隠した。しかし、奏多さんは私の耳元でそっと囁く。

「顔、見せて」

たった一言の囁きだけど、全身に電流が流れてるような衝撃が走り、恥ずかしいながらもゆっくりと手を下にずらす。

今の私は絶対変な顔になっているはず。でも奏多さんは私を見て『可愛い』と言いながらキスをしてきた。

「桜って呼び捨てしてもええかな?」

キスの合間に奏多さんが聞いてきたので、私は『はい』と言って微笑んだ。

「俺、桜の事もっと知りたい。怖かったら言うてな」

「大丈夫、私も奏多さんの事がもっと知りたいです」

正直、緊張もあり怖さも感じている。だけどそれ以上に奏多さんに触れられて、安心と心地良さを感じたかった。

それから奏多さんは優しく私を包み込んでくれた。