「着物ってお茶会のですか?」
「ご贔屓にしている呉服屋から着物を借りてきたんや。桜さんが気に入ってくれるといいんやけど」
「わざわざすみません」
自分の着物を持っていこうと思ったけど、荷物になるから京都で準備すると言われていた。
朝食が済み、私は奏多さんに案内され大広間に向かう。中に入るとそこには桜色の着物が用意されていた。
「綺麗……ありがとうございます」
「蒼志君に先越されたのが悔しいけど」
「えっ?」
奏多さんの悔しそうな呟きに、思わずパッと奏多さんの顔を見る。目が合うと奏多さんは私から目を背け、少し顔を赤くさせた。
奏多さんの表情につられて私も何故だか顔が赤くなる。
何だか部屋中に不思議な空気が流れるなか、奏多さんの母親が大広間に入ってきた。
「奏多が選んだ桜色の着物、気に入ってくれた?」
ニッコリしながら私の方を見る。そして部屋の中を流れていた不思議な空気感も消えた。
「この着物、奏多さんが選んでくれたんですか?」
私はまた奏多さんを見る。もしかしてさっき蒼志に先越されたって言ったのは、私が蒼志に似合うと言われた桜色の袷着物を着て仕事しているから?
「ご贔屓にしている呉服屋から着物を借りてきたんや。桜さんが気に入ってくれるといいんやけど」
「わざわざすみません」
自分の着物を持っていこうと思ったけど、荷物になるから京都で準備すると言われていた。
朝食が済み、私は奏多さんに案内され大広間に向かう。中に入るとそこには桜色の着物が用意されていた。
「綺麗……ありがとうございます」
「蒼志君に先越されたのが悔しいけど」
「えっ?」
奏多さんの悔しそうな呟きに、思わずパッと奏多さんの顔を見る。目が合うと奏多さんは私から目を背け、少し顔を赤くさせた。
奏多さんの表情につられて私も何故だか顔が赤くなる。
何だか部屋中に不思議な空気が流れるなか、奏多さんの母親が大広間に入ってきた。
「奏多が選んだ桜色の着物、気に入ってくれた?」
ニッコリしながら私の方を見る。そして部屋の中を流れていた不思議な空気感も消えた。
「この着物、奏多さんが選んでくれたんですか?」
私はまた奏多さんを見る。もしかしてさっき蒼志に先越されたって言ったのは、私が蒼志に似合うと言われた桜色の袷着物を着て仕事しているから?


