数日後の金曜日、私は母に呼ばれてあるお使いを頼まれた。
「はい、これ」
そう言って渡されたのは一台の携帯だった。この携帯は奏多さんのもので、今日うちに来た時に忘れて帰ったらしい。
明日はうちに来ない日なので、携帯がないと困るだろうと私が奏多さんの家まで届ける事になった。
母から奏多さんの家の住所を聞き外に出る。割と華月の家から近いマンションに住んでいるみたいで歩いて行けそうだ。
すっかり暗くなった夜道を一人で歩く。そういえば夜一人で出歩くのは久しぶりだと思いながら奏多さんの住むマンションを目指していると、突然鞄の中から携帯が鳴り出した。
「私のじゃない。奏多さんの携帯か」
見るつもりはなかったけど、奏多さんの携帯が鳴り止まないので、つい鞄から取り出して手に持った。長い着信は『マナ』と表示された人からだった。
女性の名前……彼女かな?
そう思うと胸の奥がチクッとした。そして私の足取りも急に重くなる。そうだよね、奏多さんみたいに素敵な人にはちゃんと彼女いるに決まっている。
私は重い足取りのまま歩き始めた。一旦切れた着信だったけど、また『マナ』さんから再び着信が入った。
「はい、これ」
そう言って渡されたのは一台の携帯だった。この携帯は奏多さんのもので、今日うちに来た時に忘れて帰ったらしい。
明日はうちに来ない日なので、携帯がないと困るだろうと私が奏多さんの家まで届ける事になった。
母から奏多さんの家の住所を聞き外に出る。割と華月の家から近いマンションに住んでいるみたいで歩いて行けそうだ。
すっかり暗くなった夜道を一人で歩く。そういえば夜一人で出歩くのは久しぶりだと思いながら奏多さんの住むマンションを目指していると、突然鞄の中から携帯が鳴り出した。
「私のじゃない。奏多さんの携帯か」
見るつもりはなかったけど、奏多さんの携帯が鳴り止まないので、つい鞄から取り出して手に持った。長い着信は『マナ』と表示された人からだった。
女性の名前……彼女かな?
そう思うと胸の奥がチクッとした。そして私の足取りも急に重くなる。そうだよね、奏多さんみたいに素敵な人にはちゃんと彼女いるに決まっている。
私は重い足取りのまま歩き始めた。一旦切れた着信だったけど、また『マナ』さんから再び着信が入った。


