「奏多さん、私決めました」

「何をですか?」

私の唐突な決意に、奏多さんはキョトンとした表情をする。私は蒼志の話をした後に本人を見たせいか、何だか無性に自分の気持ちに腹が立っていた。

「前言撤回します。私、蒼志に気持ちを伝えてスッキリします。なんか一人だけモヤモヤして馬鹿みたいですし」

「それはまた思い切りましたね。大丈夫ですか?」

「大丈夫かは分かりませんが、想いを吹っ切る事でまた違う未来が待っていると思うので」

奏多さんと話をして前向きになれそうな気がした私は、スッと立ち上がり奏多さんに笑顔を見せた。

「また何かありましたらいつでも話を聞きますよ」

奏多さんもニッコリと笑顔を返す。

「ふふ、その時はよろしくお願いします。今日は長々と話をしてしまってすみませんでした。では私はこれで失礼します」

私は一礼して茶室を出る。やっぱり奏多さんの優しい笑顔には癒されるなぁ。ついつい甘えてしまう。

さて、どうやって蒼志に告白しようかな。