「彼女とは…!ノントン子爵夫人とは二度と会わない!」
「…え?」
「そもそも、迎えに行こうなどと思ったこともないし、そんなこと、するはずがない。彼女とは貴女と婚約するかなり前に、すでにちゃんと終わっていたんだ。正直あんな騒ぎを起こされて迷惑だし、貴女に怪我をさせられて憤りこそすれ、やり直したいなどと思うはずがない」
「…迷惑…?」
「ああ、迷惑だとも。妻のいる男に迫るなど、正常な人間のすることではない。だから夫であるノントン子爵にそう抗議したんだ。彼女は今、子爵領に軟禁されているらしい」
「…軟禁…!」
「当然の処置だよ。俺を冷たい男だと蔑むか?でも、貴女をあんな目にあわされ、許せなかったんだ。いや…、一番悪いのは俺なのに、俺は自分を差し置いて子爵夫人や義母を罰した」

「…お義母様も⁈」
そう言えば、この8ヶ月を振り返ってみても、義母のカレンの姿も見えなかった。
「ああ、貴女には義母のことも話さないとな。義母…、いや、あの女が貴女と俺にしていたことが全てわかったんだ。あんな女を放置していたこと、本当に申し訳なかった」

オレリアンはコンスタンスに対するカレンの罪を話した。
そして今彼女が実家のダドリー男爵の領で監禁されていることも。