7歳の侯爵夫人

想像も出来なかった言葉に、オレリアンは目を見開き、絶句した。

「そなたと結婚したままで公式寵姫というのも考えた。だが、いずれきちんと側妃…、私の第二夫人として迎えたいと思う。それまでは、母…王妃の侍女として、王宮に引き取るつもりだ。侯爵夫妻の承諾を得られれば、このままルーデル公爵にも申し入れに行く」

…なんて勝手な…!
オレリアンはあまりの驚きと憤りに、わなわなと体を震わせた。
コニーを、側妃にだって?
それを、『手を差し伸べる』などという言葉で表すなんて…!

「そんなこと、王太子妃になられる隣国の王女様が許されますか?元婚約者が側妃だなんて…!」
隣国の王女はフィリップに一目惚れし、婚約者がいるにもかかわらず無理矢理縁談をねじ込んだと聞いている。
そんな王女が、側妃の存在を許すわけがないではないか。

しかしフィリップは静かに首を横に振った。