一方コンスタンスは走り寄ってくる両親が少し年をとっているようにも見えたが、自分に抱きついてくる両親の勢いに違和感は一瞬頭から飛んでいた。

だが、さすがに両親の後ろからヒョイッと現れて自分に抱きつこうとしている青年には……、引いた。
兄かと思って抱きつきそうになったが、どさくさに紛れて何してくれるんだ、この見知らぬおじさんは。

急に引っ込んだ両手を見て、彼は悲しそうにコンスタンスにたずねた。
「コニー、お兄様にはハグしてくれないのかい?」

お兄様ですって⁈
なんて図々しい!!
こんなおじさんが兄のわけはない。

コンスタンスは警戒と不審の目を向けると、兄だという男にたずねた。

「おじさま……、誰?」