玄関まで行き扉を開けると、ぴゅーっと冷たい風が二人の間を通り過ぎる。


帰る時間が遅いせいか、いつもより冷えている。


冬のJK素足問題、どうにかしてほしい。


恨めしい目で彼を見つめる。


「私もズボンがいい」

「じゃあ交換する?」

「アホか」


両手をポケットに突っ込んだまま、彼に軽く体アタックをする。


こんな感じの他愛もない会話をしながら、駅まで二人で歩く。


ほぼ一緒に帰ってるから、付き合ってないの?と聞かれることも多い。


彼はどんな気持ちなのかな、嫌じゃないのかな、と聞かれる度に頭の中に考えを巡らす。


この日々だって、永遠と続くわけじゃない。


いつか終わりは来る、そうは分かっていても、私は未だ彼に想いを伝えられずにいた。


「あ、オリオン座発見」


彼が夜空を見ながら、突然と足を止める。


私も夜空を見上げる。


街灯の明かりがない分、星がはっきりと見えた。


そして、私たちのちょうど真上にオリオン座は輝いていた。