話をしていく内に、彼の存在が私の中で大きくなっていくことを感じた。


いつの日か、"名前は知っているクラスメイト"から"目で追ってしまう恋う人"になっていた。



彼の後ろの席になって、気づいたことがある。


それは、彼の周りには何故かいつも人が集まっているということ。


みんなが引き寄せられる魅力があるのかな、まるで本当の意味で太陽みたいな人だ、なんて一人で考えて笑っていた。


そして、彼が一部の女子から好かれていることも友達から聞いて知った。


友達曰く、あまり喋らないミステリアスな部分が人気らしい。


私と話す時はそんなことないけどね、と心の中で嫉妬交じりのマウントを取る。


宇宙の本から始まり、彼と話していく度にだんだんと心を開いてくれていることがとにかく嬉しかった。


夜な夜な彼のことを想いながら眠る日々が続き、四ヶ月が経った。


「美絋、そろっと帰ろ」

「ちょっと待って〜」


冬も最中の1月下旬、今日もいつもと変わらず彼と帰る準備をする。


何気なく外を見ると、だいぶ日が沈んでいた。


二人で教室に残って少しだべっていたら、あっという間だ。