レイノルドは、一転して不良少年へと変わった。
 兄に随行するのを止めて、周りの大人の話は話半分に聞いたし、兄と同じ貴族が通う学校に入れられても、授業をサボって町へおもむき、酒の味や小金の稼ぎ方やあくどい連中との渡り方を学んだ。

 教室に行くと、嫌でも兄と彼女がいっしょにいるのを見なければならない。胸をかき乱されるぐらいなら、第二王子の身分を捨ててしまいたかった。
 学校を卒業したら、誰も自分を知らない場所へ行き、静かに暮らそう。

 そう決めて、学校で最後の昼寝をしていたとき、彼女が現われたのだ。