マリアが眉をひそめるのを、レイノルドは愉快げに見下ろした。

「――素晴らしい勝ちだったね」

 いきなり話しかけられてマリアはドキリとした。
 会話に入ってきたのは、プリシラの従兄弟だという男性だった。ニヤニヤした顔つきでマリアの勝負強さをほめたあと、こう切り出す。

「――新しい事業の出資者を探しているんだ。この国で魔法を使えるようになるかもしれない夢のような話に、興味はないかな?」