【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい

 立ち上がった彼は、マリアより少し見上げる位置にある顔をうつむかせて、細く巻いた亜麻色の髪を指にからめとった。

「これなら、あんたが可愛いって見せびらかせるだろ」
「かっ!?」

 びっくりしてマリアの声が裏返った。

「かかか、かわいい??? わたくしが?????」
「動揺しすぎだろ」

 軽く笑ったレイノルドは、髪先にキスを落として、上目でマリアを見た。

「こっちの方が、あんたらしくてずっといいし、好きだ」
「~~~~!」