コベントは、母の実家が後援している学者だ。
医者の息子として生まれ、優秀な頭脳を見込まれて大学院まで進み、史上最年少で教授となった。
彼は勉強熱心なマリアを気に入っていて、タスティリヤ王国の内実と世界情勢について、公表されていない情報も含めて教えてくれている。
「せっかく来ていただいたのに申し訳ございません。父はなぜか荒れているのです」
「なるほど。辺境に魔物が現われている件で、飲まずにはいられないというところでしょうな」
「魔物? そんなものが本当にいますの?」
驚くマリアに、コベントは温和そうな瞳を向ける。
「外国には魔法や魔物が当たり前のように存在します。タスティリヤ王国で魔法が禁じられているのは、誰しもが扱えるようになると、とある場所に悪影響があるためです。その場所こそ辺境です。攻め入ってくる人間は騎士が迎え撃てますが、魔物にはただの人間では敵いません。ですから、大昔の辺境の領主は国王に特別な許可をいただいて、ある物を屋敷の地中に埋めたのです」
「ある物とは?」
「一角獣《ユニコーン》の角。魔晶石と呼ばれる物です。それがあれば、魔法を使えると言われている、素晴らしくも恐ろしい宝石ですよ」
医者の息子として生まれ、優秀な頭脳を見込まれて大学院まで進み、史上最年少で教授となった。
彼は勉強熱心なマリアを気に入っていて、タスティリヤ王国の内実と世界情勢について、公表されていない情報も含めて教えてくれている。
「せっかく来ていただいたのに申し訳ございません。父はなぜか荒れているのです」
「なるほど。辺境に魔物が現われている件で、飲まずにはいられないというところでしょうな」
「魔物? そんなものが本当にいますの?」
驚くマリアに、コベントは温和そうな瞳を向ける。
「外国には魔法や魔物が当たり前のように存在します。タスティリヤ王国で魔法が禁じられているのは、誰しもが扱えるようになると、とある場所に悪影響があるためです。その場所こそ辺境です。攻め入ってくる人間は騎士が迎え撃てますが、魔物にはただの人間では敵いません。ですから、大昔の辺境の領主は国王に特別な許可をいただいて、ある物を屋敷の地中に埋めたのです」
「ある物とは?」
「一角獣《ユニコーン》の角。魔晶石と呼ばれる物です。それがあれば、魔法を使えると言われている、素晴らしくも恐ろしい宝石ですよ」



