【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい

 ドンと強く肩を押されて、マリアはテーブルに押し倒された。
 グラスは床に落ちてガシャンと割れ、まとめていた亜麻色の髪はほつれてテーブルに広がる。

「マリアヴェーラ様、私はどうしても貴方を諦めきれない。ネリネ様が第二王子と、貴方が私と結ばれれば、何もかもが上手くいくとは思われませんか。破滅の預言など気にせずに、幸せな家庭を築けるでしょう?」

 クレロはマリアの首元に顔を伏せる。
 肌に感じる熱い息に、ゾゾゾッと鳥肌が立った。

「離しなさい、無礼者っ!」
「ここにいるわ!」

 マリアが叫んだのと同時に、個室のドアが開かれた。
 入ってきたのはネリネとレイノルド、それにアルフレッドだった。

 双子の王子は、押し倒されているマリアに驚いて、両目を見開く。
 クレロがしぶしぶ体を起こすと、ネリネは、してやったりという顔でニンマリと笑った。